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子育て世帯182名に聞いた「住まいの不満」ランキング

2025年11月16日、石川県産業展示館で開催された「子育て支援メッセ」にて、子育て世帯を中心に182名へ住まいに関するアンケートを行いました。テーマは「住まいの不満を教えてください」。これから家づくりを考えている人、すでにマイホームに住んでいる人など、幅広い視点が集まりました。
最も多かった声は「寒い」「せまい」「収納が少ない」といった、日常の困りごとに直結する内容でした。こうしたリアルな声は、これから家を建てる人にとって“後悔しない家づくり”のヒントになります。本記事では、アンケート結果をわかりやすく整理しながら、成功のためのポイントを紹介します。
アンケート結果から見えた「住まいの不満」トップ5
182名の回答の中で特に多かった上位5つの不満は以下の通りです。
1位:寒い(25件)13.7%
北陸の気候特性もあり、「とにかく家が寒い」という声が最も多く寄せられました。断熱・気密の不足による冷えは、光熱費の増加や体調への影響にも直結し、後悔しやすいポイントです。
2位:せまい(22件)12.1%
「部屋がせまい」「玄関がせまい」「リビングがせまい」など、全体的な広さへの不満が多くみられました。子育て世帯は荷物が増えやすいため、ゆとりのある間取り計画が重要です。
3位:収納が少ない(18件)9.9%
「パントリーが欲しい」「ファミクロが欲しい」という声もあり、収納計画が不十分なケースは非常に多いようです。収納は“つくっておけばよかった”と後悔しやすい部分の代表格です。
4位:部屋が少ない(11件)6.0%
家族が増える、在宅ワークが始まるなど、ライフスタイルの変化に対応できないケースが多いようです。将来の使い方まで見据えた間取り計画が求められます。
5位:玄関がせまい(9件)4.9%
ベビーカー、外遊び道具、上着など、子育て世帯はとにかく玄関周りの物が多くなります。「玄関が狭くて片付かない」という声が多く寄せられました。
以下はアンケートの回答を表にしたものです。


「不満がない」と答えた人は7.7%で13人に1人。90%以上の方が何らかの不満を感じているという結果でした。
その中でも、結果を集計して見えてきたのが「せまさ」に関する不満です。
4人に1人!「せまい」に関する具体的な声(集計)
アンケート内の「せまい」に該当する回答を集計した表です。合計44件(24.2%)の声が寄せられており、生活動線や収納、外部スペースまで「広さ」に関する不満が広範に及んでいます。
| 不満内容 | 回答数 |
|---|---|
| せまい | 22 |
| 玄関せまい | 9 |
| リビングせまい | 4 |
| サンルームせまい | 3 |
| 駐車場せまい | 2 |
| 洗面脱衣所せまい | 2 |
| 風呂せまい | 2 |
| 合計 | 44 |
「せまい」問題の深掘り:どこがどう困っているのか
上の表を見ると、「せまい」は単一の問題ではなく、玄関・リビング・脱衣所・駐車場など暮らしの各領域で発生しています。特に子育て世帯では、ベビーカーや遊具、外遊び用の服・靴などが玄関周りを圧迫しやすく、リビングの狭さは家族のくつろぎや見守りに直結します。結果として「収納不足」とも強く結びつくため、広さの不足=収納と動線の問題が複合しています。
設計でできる簡単な対策(すぐ使えるチェックポイント)
以下のチェックを設計段階で入れると、「狭さ」に起因する後悔を大きく減らせます。見落としがちなポイントも含めています。
- □ 玄関:土間を広めに取り、ベビーカー収納+コート掛けを確保する(シューズクロークまたは土間収納を検討)。
- □ リビング:家具を置いたときの動線を図で確認。テレビやソファの配置で通路幅が確保されているかをチェック。
- □ 洗面脱衣所:洗濯→干す→しまう動線を短く。洗濯機近くにファミリークローゼット(ファミクロ)を設けると効率的。
- □ サンルーム:洗濯物干し兼キッズスペースにする場合は、可動家具や収納付きベンチで多機能化。
- □ 駐車場:「3台可能」とする場合、車種や雪のための余裕幅を考慮し、実効スペースを確認。
どれも設計段階で寸法・使い勝手をシミュレーションすることで解決できるものです。完成後に「せまい」と感じる多くは、実物の寸法感の不足(図面→実寸の乖離)や、将来の荷物増に対する想定不足が原因です。
短いまとめ:チェックリスト(設計前に確認すべき項目)
・ベビーカーや外遊び道具の定位置はどこか決めているか?
・玄関の通路幅・土間の奥行きは実際に使う物を置いても問題ないか?
・リビングに家具を配置した想定図(実寸)を作ったか?通路が45〜60cm以上確保されているか?
・洗濯→収納までの動線を短くする配置(洗濯機近くに収納)を検討したか?
アンケートから導く「後悔しない家づくりの成功ポイント」
1. 断熱・気密は「性能」を最優先に
寒さへの不満が最も多いことから、家の性能は後悔を防ぐ最重要ポイントといえます。断熱等級・窓性能・気密測定など、見えない部分ほど重視すべきです。快適さの土台は“冬の室温”が決めると言っても過言ではありません。
2. 「これからの収納量」を見越した計画を
パントリー・ファミクロ・土間収納などは、あると暮らしが劇的にラクになります。「今の荷物量」で考えると後悔しやすいため、「未来の家族の姿」をイメージして収納計画を行うことが重要です。
3. 将来の可変性を持たせた間取りにする
部屋数が足りないという不満は、子どもの成長や働き方の変化によって発生しがちです。可動式の仕切りや将来部屋にできるフリースペースをつくっておくと、長く満足できる家になります。
4. 子育て世帯は「玄関の広さ」を優先すべき
玄関が狭いと、毎日の出入りがストレスになります。特に北陸では冬の外遊び道具・雪用アイテムなどの収納場所も必要なため、広めの玄関+大型土間収納が強い味方になります。
5. 生活動線は「子育て中の1日」を基準に考える
洗濯動線・朝の支度動線・買い物後の収納動線など、リアルな生活の流れに合わせた動線づくりは満足度に直結します。「ファミクロが洗濯機近くに欲しい」という声が象徴的で、動線の工夫が家事時間を大きく減らします。
まとめ:リアルな不満の声こそ、後悔しない家づくりの材料になる
今回のアンケートでは、182名のリアルな「住まいの不満」が明らかになりました。寒さ、狭さ、収納不足、部屋数、玄関など、日々の暮らしの中で積み上がっていく小さなストレスが、家への満足度を大きく左右します。
これから家づくりをする方は、こうした実体験に基づく声をヒントにすることで、後悔の少ないマイホームを実現できます。「おうちコンシェル」では、こうしたリアルな悩みをもとに、あなたの暮らしに合った家づくりをサポートします。ぜひ気軽にご相談ください。

