新築の快適さを大きく左右するのが「収納計画」です。収納は単に物を片付ける場所ではなく、生活動線、家事効率、インテリアの印象、日々のストレスの大小まで影響する重要な要素です。本記事では、後悔しない収納計画を立てるための7つの視点を体系的に整理し、さらに空間別の具体的な収納提案や、どんな人に向いているのかといった実用的な指針をまとめました。

 

1. 生活動線を軸に収納を計画する

収納計画で最も重要なのは「生活動線」と一致しているかどうかです。必要な場所から離れた収納は、どれほど容量があっても使いづらく、結果的に散らかりやすい住まいになってしまいます。動線を中心に収納を配置することで、片付けや準備の負担が大幅に減り、生活がスムーズに回ります。

 

動線に沿った収納配置の具体例

・キッチン横にパントリーをつくり、食品・調味料・日用品を一元管理
・玄関〜リビングの帰宅動線にコート・バッグの収納を設置
・洗面脱衣室にはタオルや下着、洗剤類のストックを集約
・階段下や廊下など掃除動線に沿って掃除用品の収納位置を固定
動線に沿った収納は「探す」「運ぶ」といった無駄な動作を省き、家事時間を大幅に短縮します。

 

【向いている人】
・家事効率を重視したい
・片付けを“自然にできる”仕組みが欲しい
・生活の無駄な動きを減らしてストレスを軽減したい

 

2. 現在と将来の収納量を把握する

新築収納でよくある後悔が「今持っている物の量を基準にしてしまった」という点です。新生活が始まるとモノは自然と増え、季節家電・子どもの成長・趣味用品など、長期的な増加を見越さないとすぐに収納不足になります。

 

収納量を見積もるためのチェックポイント

・季節家電（扇風機・加湿器・ヒーター）
・スーツケース、冠婚葬祭用品
・子どもの教材や作品、将来的な部活動用品
・アウトドア用品、カメラ機材などの大きめの趣味用品
・日用品や非常用備蓄品の在庫
棚一段ごとに荷物を分解して考えることで、自分たちに必要な収納量が明確になります。

 

【向いている人】
・計画的にモノが管理できないと不安
・家族構成が変わる可能性がある
・趣味や仕事の道具が増えやすい

 

3. 造作収納と家具収納をバランスよく組み合わせる

収納計画では「造作収納（つくりつけ）」と「家具収納（置き家具）」を適切に使い分けることが重要です。造作収納は見た目が整い使い勝手も良い一方、費用や固定性の面では家具収納に軍配が上がる場合もあります。

 

造作収納が向いている人

・生活導線上の“拠点収納”を整えたい
・デッドスペースを無駄なく使いたい
・インテリア性を高めたい
・日常的に使うものを効率良く管理したい

 

家具収納が向いている人

・模様替えを楽しみたい
・将来の生活変化に柔軟に対応したい
・初期コストを抑えたい
・収納量を後から調整したい

 

4. 空間ごとに最適な収納計画をつくる

収納は空間ごとに役割が異なるため、用途に応じた計画を立てることが重要です。ここでは代表的な空間別にポイントを整理します。

 

リビング収納

散らかりやすいリビングでは「定位置」を徹底的に作ることが成功の鍵です。書類、リモコン、文房具、子どもの学用品など、毎日出入りするものをカテゴリーごとに収納できるようにすると、散らかりにくい空間を維持できます。

 

玄関収納

靴だけでなく、傘・レインコート・アウトドア用品・ベビーカーなど、外で使う物をまとめて収納できると機能的です。回遊導線があると、帰宅後の片付けもしやすくなります。

 

洗面脱衣室

タオル、下着、洗剤ストック、掃除用品など多くの物が集まる空間のため、棚の奥行きは浅めに設計するのがポイントです。取り出しにくい奥行きの深い棚は、結局使われなくなることが多いです。

 

5. デッドスペースを有効に活用する

階段下、壁の厚み、廊下、ニッチなど、家の中には意外な“空きスペース”が多く存在します。こうした場所を収納として活用することで、限られた延床面積でも十分な収納量を確保できます。

 

代表的なデッドスペース活用例

・階段下収納
・壁厚収納（洗面所やトイレに最適）
・廊下収納（掃除用品や日用品の定位置に便利）
・ニッチ収納（鍵・小物の置き場として最適）

 

6. 片付けの手間が減る“仕組み”をつくる

収納は「量」よりも「仕組み」が重要です。片付けが苦手でも、定位置と動線が整っていれば自然と片付けやすい空間になります。具体的には“出し入れの手数を減らすこと”が効果的です。

 

【向いている人】
・片付けが苦手
・仕事や子育てで毎日バタバタしがち
・家族全員が使いやすい仕組みをつくりたい

 

7. ライフスタイルに合った収納を選ぶ

収納計画の最終的なゴールは「自分たちの暮らしに合った収納」になっているかどうかです。流行や一般論だけでなく、家族の性格、生活時間、趣味、帰宅後の行動パターンなどを反映させることで、本当に使いやすい収納が完成します。

 

【向いている人】
・暮らしに合わせたカスタムをしたい
・“片付く家”を根本から作りたい
・家族の行動をベースにした設計を重視する

 

 

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